「…俺達は…遠回りし過ぎた…だけど…今ここから、始めよう…もう逃げずに…二人で幸せになろう…」
「…心…」
「…セラを幸せにする…また迷ったら…俺がセラを見つけ出す…分かったな!」
「………」
セラは、泣きながら大きく頷いた。
「………」
「…し…ん…」
心は、私のお腹にゆっくりと手を伸ばしお腹に手をおいた。
「…ありがとう…セラ」
「…ごめんね…」
「…俺が守るから…」
「…はい」
俺とセラは、唇を重ねた。


「…ここ…」
セラは、一軒家の前で足を止め言った。
「………」
「上がって」
セラの家は、前の家とは大分変わっていた、家の回りには畑が多く、静かな場所だった。
「ただいま…」
「…お帰り!」
玄関の側のドアから、おばさんの声が聞こえた。
(ガチャッ!)
「お……!」
「こんばんは!」
お母さんは、心の姿を見て驚いたのか口元に手をあてた。
心は、お母さんに頭を下げた。
「…お母さん…心が、お父さんにお線香あげたいって…」
「…心君…」
お母さんは、目に涙を浮かべ心を見ていた。
「…ありがとう!上がって!」
「はい、お邪魔します」

俺は、おじさんの仏壇の前で手を合わした。