心の姿が消えた瞬間、私は、その場に崩れ落ちた。
「…心!…ごめんね!…ごめんなさい…」


――翌日、仕事を終えた俺は、セラの家に向かった。
「…まんじゅうで、よかったか?…」
俺は、手土産を持って坂道を歩いた。

俺は、正式にセラとの結婚を、おじさんとおばさんに伝えようと決めていた。
「ふぅー…」
俺は、深呼吸をして門に手を掛けた。
≪………≫
「…部屋の灯り…」
街灯の灯りが、微かに暗い玄関を照らしていた。
セラの家は、静まり返っていた。
(ピンポン…)
俺は、チャイムを押した。
「…居ないのか…」
俺は、もう一度チャイムを押そうとした時…。
「…天城さんなら居ないわよ!」
俺は、振り向いた。
「えっ!?…居ないって…」
門の前に立っている、おばさんは口を開いた。
「引っ越したのよ!少し前に!…ほらっ!ここの御主人お亡くなりになったでしょう…」
「亡くなった!!」
俺は、手に持っていた手土産を落とした。
「…ご存知じゃなかったのね…ごめんなさいね…」
おばさんは、帰ろうとした。
「…ちょっと待って下さい!!」
俺は、おばさんの肩を掴んだ。
「…何か?」
おばさんは、驚いた顔をした。