俺は、セラに連れられて海の目の前のレストランに入った。
「ちょって待ってて」
セラは、席に座った俺に笑顔で言った。
「あぁ」
海を眺めて俺は、セラを待っていた。
俺は、初めて本気で恋をした…恋がこんなにも苦しくて幸せなものだとは、思わなかった。
「お待たせ!」
「おう、何か食べるか?」
「んー…私は、まだ平気だけど、心は?」
「俺もまだいいよ」
「じゃー後で…」
セラは、そう言って、海を眺めた。
「秋の海も綺麗だな」
「…うん、綺麗だね」
俺達は、静かに海を見つめ、ゆっくりと時間を過ごした。
「御待たせしました」
振り向くと、男がケーキを持って立っていた。
「…頼んでないけど」
俺は、男に言ってセラを見た。
「お誕生日…」
セラは、ニッコリ笑っていった。
「えっ?…何で…」
男は、テーブルの真ん中にケーキを置いていった。
「心…今日が誕生日だったんだね」
セラは、ロウソクを持っていった。
「あぁ…でも…」
「誠さんから聞いたのよ…さっき心と会う前に、誠さんに会ったの」
「あいつ…」
「祝ってやってくれって…でも、私…心に何もあげれる物が…」
≪!?≫
心は、私の手を握り見つめた。