今にも、消えて無くなりそうな、セラの体に、手を回し優しく包むように、抱きしめた。
≪…この温もり…この安らぎ…セラの匂いが、俺の心に染み込んだ…≫


――優しく抱きしめてくれる、心の腕の中で私は、閉まっていた、心への想いが、溢れそうになった。
≪…心、このままずっと一緒に居てほしいよ…≫
【………】

心の体から、私の体を離し、心は私を見つめていた。
「…セラ」

俺は、セラの唇にキスをした。
私は、心にキスをされ、胸が苦しかった。
「…出会った頃に、もう一度戻って、やり直そう…」
「…心…」
セラは、ポロポロと涙を流した。
「もう、お前を…セラを失いたくない…」
心は、そう言って私を抱きしめた。
≪…心…嬉しいよ……今…今だったら…心と…出会った頃に戻れるのかもしれない……でも……≫
俺は、首にしてあるネックレスを取った。
「…セラに、もう一度逢えた時…このネックレスを受け取ってほしいって…思ってた…」
心は、前に私が返したネックレスを私の首に着けた。
≪………≫
「…心…」
「…俺の人生、この時間をすべてセラを愛していく時間にしたい…」
俺は、もう一度セラを抱きしめた。