――あの夜、助けてくれた日から、もう一週間が経った…心さんは、店に来てくれない…。
海には来て居るのかもしれないけど…私は店の入り口で砂浜に居る大勢の人波を眺めていた…。
「セラ!お客さんに出して!」
「……」
「セラ!」
「あっ!はい!ごめんなさい!」
「セラ、大丈夫?どこか具合でも悪いんじゃ?」
「平気よ!おばちゃん!」
「本当に?」
私はキッチンから心配そうに顔を出した、おばちゃんに向って笑顔を見せた。
……具合は悪くない、だけど私の胸が、おかしい…苦しい…心臓が壊れたみたい…。

夜店を閉めていると、直君が店に来た。
「よっ!」
「直君!」
「こんばんは!」
直君は、キッチンで片付けをしている、おじちゃんとおばちゃんに挨拶した。
「直!どうしたの?こんな時間に?」
「ちょっと、通りかかったから」
「勉強捗ってる?早く医者になりなさいよ!」
「はい!頑張ってますよ!」
直君は、ちょっと気まずそうだった。
「この後、時間あるか?」
「うん、あるけど…何?」
「花火でもしないか?」
「花火!うん!良いよ!」
「よし!じゃーコンビニの前で待ってる!」

《コンビニ…》