ゆっくりと、俺は、左に向いた。
≪………!!≫
俺の横には太陽の光に、キラキラと体を包まれた、セラが立っていた。
「…………セラ…………」
セラは、俺に天使のような笑顔で、俺を見ていた。
「…心」
私は、座ったままの心に向かって、もう一度名前を呼んだ。
≪この名前を……また、心に向かって言えて、嬉しいよ……心……≫
俺は、しばらくの間、セラを見つめていた。
優しい声で、俺を呼ぶセラを愛しく見つめていた。
「セラ…」
「………」
セラは、微笑んだまま、俺の隣に静かに座った。
俺は、セラの横顔を見ていた。
「そんなに、見られたら恥ずかしいよ」
セラは、海を見つめ言った。
「あっ…ごめん」
「元気だった?…」
「…なんとかな…」
俺とセラは、同じ海を見つめていた。
「…ずっと…逢いたかった…」
「…セラ」
セラの横顔を見ると、目から綺麗な涙が落ちた。
「…逢いたかった…」
「俺も…セラに逢いたかった…セラ?」
「………」
私は、隣に居る心を見た。
心は、私の涙を優しく指で拭いた。
「…抱きしめても…いいか?…」
心は、悲しげ目で私に言った。
「……はい…」
俺は、セラの体に手を伸ばした。