「何でセラと何かあったと知っている」
俺は、キスをしようとした沙羅に言った。
「…直感よ…なんとなくよ!…セラって子の事で機嫌が悪いのかと思っただけよ…」
沙羅の顔色が、一瞬変わった。
「……お前、直と繋がってんのか!?」
「…なっ!何言ってんのよ!繋がっているわけないでしょう!バカじゃないの!」
沙羅は、挙動がおかしくなった。
「嘘つくな、直に話を聞いて来たんだろ!?」
俺は、玄関に向かう沙羅の腕を掴んだ。
「痛い!!」
「言えよ!本当の事を言えよ!!」
「…電話があったのよ!心の所に行けって…」
「…なんで」
「何でって…私はセラって子が邪魔で!直は心が邪魔だからよ!分かるでしょう!」
俺は、沙羅の腕を離した。
「…おまえら…悲しい奴らだな…」
俺は、沙羅を見ていった。
「…何よ…何よ!その目は!そんな目で見ないでよ!」
沙羅は、カバンで俺を叩き怒鳴った。
「お前は、本当の愛を知らないんだ…こんな事をしても、相手の気持ちは動かない…」
「………」
沙羅は、涙を流した。
「俺に期待するな…俺は、お前に…沙羅に心を渡すことは、今もこれからもない……もう来るな…」
「…ひど…い…よ」
沙羅は、部屋から出ていった。