(カチャッ…)
「…ただいま…」
階段から、おばちゃんが下りてきた。
「お帰り!…セラ?どうした?何かあったの!?」
「…おば…ちゃん…私…」
私は涙を流しながら、おばちゃんに抱きついた。


――俺は、部屋に辿り着き遣る瀬ない思いで、いっぱいだった。
「………セラ」
(ガチャッ…)
「…心?」
玄関で、女の声が聞こえた。
「………」
「心!居たなら返事してよ!」
部屋に、沙羅が入ってきた。
「…こんな時に……なにしに来た…」
「心に逢いにきたに決まってるでしょう!」
そう言って、沙羅は俺の隣に座り、腕を組んだ。
「何かあったの?機嫌悪そぉー?」
「………」
「ねぇー?セラって子と何あったの?」
沙羅は、俺の顔を下から覗いた。
「…お前には関係ない…帰れ…」
俺は、沙羅の手をはらった。
「嫌ー!」
沙羅は、俺に抱きつき俺を押し倒した。
「……やめろ…」
俺と沙羅の唇の距離が近かった。
「やめない…辛そうな心を一人にさせたくない…」
沙羅は、俺を見つめていった。
「………」
「…私が慰めてあげる…心の傷ついた心を慰めてあげるから…あの子の代わりでもいいから…私を抱いてよ…心…」
そう言って、沙羅は俺にキスをしようとした。