「庇うのか!!お前らは、やっぱり俺に隠れて会ってたんだな!!償うなら…セラ!!お前が償え!!俺から離れる事は許さない!!苦しめ!!俺の元で苦しめばいい!!」
「…直…君…」
「直!!てめぇー!!これ以上!!…」
「やめて!!心…」
直君に殴りかかろうとする、心を私は止めた。
「セラ!?」
「分かったな!セラ!!」
セラは、俺の前で立ち尽くし、直の問い掛けに下を向いていた。
「……分かった…」
「セラ!?…何で!?」
「よし…こっちに来い!!」
私は、ゆっくりと心の元から離れた。
「セラ!!」
「…さよなら…心…」
セラは、俺の顔を見ずに横顔で言った。
直君は、私の腕を強く掴み引っ張った。
俺は、セラを奪うことも出来ずに、その場に崩れた。
砂を握りしめ、俺はセラの後ろ姿を見ていた。
「なんで…なんでそんなに、自分を責めて苦しむんだ……セラ……俺じゃ…駄目なのか……」


――「…今日は、一人で帰帰ってくれ…」
直君は、車の前で私に背中を向けたまま言った。
「…はい…」
「…帰れ…」
「…………」
私は、歩く気力もないくらいに、疲れきっていた。
≪心…直君…ごめんなさい…二人を傷つけてしまった…≫
涙がこぼれ落ちた。