直君の後ろで、声が聞こえた。
直君は、後ろを振り向いた。
≪!!≫
「…心!」
直君の後ろには、心が立っていた。
「…その手を離せ」
俺は、直に言った。
「お前には、関係ない!消えろ!…来い!」
「あっ…!」
直君は、私の手首を引っ張り、階段を上がった。
「待て!!」
俺は、セラの手を掴んだ。
≪心!≫
「離せ…その手を離せ!!」
直君は、心に怒鳴った。
「離さない!!」
俺は、セラの手を引っ張った。
「このヤロー!!」
(ボッコッ!!)
「ゔっ!!」
直君は、心を殴った。
「やめて!!」
私は、直君の腕を掴んだ。
心は砂浜に倒れた。
「離さないだと!!ふざけるな!!」
直君は、倒れた心の胸元を掴んだ。
「…あぁ!セラを離さない!お前になんかセラを渡さない!!」
俺は、直を飛ばした。
「心!!やめて!やめてよ!!」
直君は、立ち上がり心と胸元を掴み合った。
「セラは、俺の女だ!!俺の婚約者だ!!それなのに、お前が現れたせいで!!」
「セラは、お前を傷つけた事で、もう十分過ぎるくらいに苦しんだ!!償いが足りないのなら、俺がセラの代わりに…」
(バヂッ!!)
「心!!」
俺は、直に殴られた。
私は、心の体に抱きついた。