私は、病院の帰り直君と駅の前で待ち合わせをした。
検査の翌日、私は病院に行き松村先生に私の意思を伝えた。
先生は、赤ちゃんを取れば命の保証はできないと、何度も同じ言葉を言った。
だけど、私の考えが変わる事が無いと分かり松村先生は、涙を浮かべながら私の手を握っり言った。
『死んではダメだよ!ちゃんと赤ちゃんを産んで、セラちゃんの手で育てなさい』と涙を堪えて微笑んだ。
私は、もう一つ松村先生に、お願いをして病院を出た。
《………》
私は、お腹を両手で触った。
(プッ、プッー!)
《!!》
車のクラクションの音が聞こえ、私は車道を見た。
「セラ!こっち!」
助手席の窓を開け、直君は私に手を振った。
「…直君…」
直君は、車から下りて、私の元へと来た。
「待った?」
「ううん、平気…」
「寒くなってきたな」
そう言って直君は、私を抱きしめた。
「…直君」
「…よしっ!行こうか!」
直君は、私の背中を押し、車のドアを開け、私は車に乗った。
車に乗ると直君は行き先も伝えずに、車を走らせた。
「…どこ行くの?…」
「秘密!着いてからの、お楽しみだ」
横顔の直君の顔には、笑顔が見えた。
「…そう…」