「…私達が悪いのよ…ちゃんと、あなたの話を聞かずに…あなたとセラを引き裂いてしまった……傷つけてはいけない人達を傷つけてしまった……ありがとうね、セラを愛してくれて……」
おばさんは、涙を浮かべ微笑んだ。
「…俺…今まで惚れた女はいなかった……だけど、セラってゆう女に逢って…幼い頃の環境や…セラの病気の事を聞いて…始めは自分の中に芽生えた気持ちを…勘違いしているって思ってたけど……どんどんセラの事が頭から離れなくて……こんな最低な俺なのに……あいつは……セラは………」
俺は、涙で言葉が詰まった。
「…セラは、あなたの事を今でも愛してるわ……お父さんと私も、セラに話したのよ、素直にセラの心の中に居る人の所に行きなさいと…だけど、直の事があるからセラは……」
「…分かってます…セラは、心が優しいから……」
「今ね…セラ…直と会って話してるわ……本当の気持ちを……」
《……》
「セラが…」
俺は、おばさんから直と会っていると聞いて不安になった。
「心君?」
「…おばさん!どこで会って居るんですか!?」
「ごめんなさい、場所は分からないのよ…待ち合わせ場所は確か……」
俺はセラの家を出た。