「焦ってねぇーよ!」
俺は、誠が買ってきたビールを開けて、一口飲んだ。
「熱いうちに食えよ!せっかく、二つ買って来たのによ」
「で?何だよ?」
「お前急かすなよ!たこ焼き食えよ!」
「何で、夜の海で待ち合わせして、お前とたこ焼きなんか食わねぇーといけねぇーだよ!」
「…ったく、うるせぇーなっ!、今日会ったんだよ!…」
誠は、たこ焼きをビールで流し込んで言った。
「会った?誰と?」
「直って奴だよ!」
《!!》
「どこで!?」
「正確には、店に来たんだ、ガソリン入れに…で、店長と仲がいいのか話してたから、奴が帰った後に聞いたんだ」
俺は、誠の話に釘付けだった。
「………」
「…っと言う話だ、おじさんって人、病気で長くないらしい…」
「………」
「…セラ、家に帰って来てるんじゃないか?」
「………」
「…おい?心!?行ってみろよ!セラに会えるかもしれねぇーだろ!?」
「…あぁ、教えてくれてサンキューなっ……俺、帰る……」
「えっ!?おい!心!たこ焼き!」
俺は家に帰り、電気を付けないまま、ベッドに倒れた。
「………」
《セラ…今直ぐにでも、お前の元に行ってセラを抱きしめてやりたい……》