《一年…短いような、長いような…一年…》
「先生…私、お腹の赤ちゃん…殺したくない…こんな病気の私の元に、天使が来てくれた…私には、神様は居ないけど……赤ちゃんを、産むまで私、死なないよ…」
「セラちゃん!そんなのは駄目だ!医者としてセラちゃんを…」
「決めたの!!私が、本当に心から愛した人の赤ちゃんなの……だから産みたい!!」
私は、お腹に手をあて、松村先生を見た。
「…もう一度…、明日話をしよう…それからでも、遅くはない…」
松村先生は、眼鏡を机の上に置き言った。
「また明日、話をしても結果は同じ…私は、自分の命より、この子の命が大切…この子を死なせない…」


――《セラ……お前は、いつも俺から離れていく………俺とセラは、生まれ変わってから、やっと一緒になれるのかな……この夜空の星になって、お互い生まれ変わって、俺はセラを…セラは俺を探しだして、その時に、お前を幸せにできるのかな……》
「おい!心!」
振り向くと、誠が走って来た。
「何だよ…」
「あっ!っちぃー!!、ほらっ!たこ焼き!食えよ!」
「たこ焼き食わしてくれる為に、俺を呼んだのかよ?!」
「まぁまぁ、焦んなよ!」