「はい!」
「…あの、松村先生、私の検査…」
松村先生と直君の話が、長引くのを感じ、私は話を割った。
「あぁ!ごめんね!セラちゃん!検査だったよね!」
松村先生は、白髪混じりの髪の毛を撫でた。
「ごめんな、セラ!」
「いいのよ、でも松村先生も忙しい先生だから…」
「あっ!そうみたいですね!昨日も検査中に急患が来たとかで?!」
《!!》
私は、直君の言葉を聞いて心臓が、激しく動きだした。
私は、松村先生と目が合ったが、直ぐに目をそらしてしまった。
「えっ!?、…あぁー!、そうなんだよ!悪かったね!セラちゃん昨日は!」
松村先生は、咄嗟に私をかばってくれた。
「…いいえ…」
私は、松村先生と目を合わす事が出来ずに、下を向いていた。
「じゃー、検査の時間だ!直!また顔見せに来いよ!」
「はい!失礼します!、…セラ?後でな!」
直君は、私の肩に手を置いて、出ていった。
「…先生…ごめんなさい…」
松村先生は、笑顔だった。
「いいんだよ…気にする事じゃない…何か訳があったんだろ?」
「…はい…」
「この仕事を、長くしているとね…患者が、嘘や誤魔化し無理している事が、解ってしまうんだ……」