(ピンポーンッ)
私は、家のチャイムを鳴らした。
「…やっぱり、海に出掛けちゃったのかも」
私と直君は、門を出て車に乗り込もうとした。
(ガチャッ!)
鍵が開いた音が聞こえ、私は玄関に向かった。
「おばちゃん!!」
玄関を開けると、おばちゃんは疲れた顔をしていた。
「…セラ」
「どうしたのよ!?おばちゃん?何かあったの!?」
「…お父さんが…倒れて…」
おばちゃんは、今にも泣きそうな顔をしていた。
「おじちゃんが、倒れた!?」
私と直君は、おばちゃんを抱えて、部屋に連れていった。
おばちゃんが言うには、おじちゃんは、突然店で苦しみ吐血したと……、病院に運ばれ検査をすると、胃癌だった事が解った。
手術する事は、もう出来ないくらい、癌は進んでいたと……。
おばちゃんを寝かした私達は、居間で話をした。
「…直君…悪いんだけど…」
「分かってる……家に戻ろう…」
「ありがとう…おばちゃんを一人にさせたくないから…助かります」
私達は、病院に向かった。
「俺も、おじちゃんの顔見ていくよ…」
「うん、ありがとう…」
病室に入ると、おじちゃんは、耳にイヤホンをしてラジオ聞いていた。
「…おじちゃん?」