「…で、セラは消えたって事か…」
「あぁ…、俺…あの時…セラを奪いたいって思った…このままセラを奪って…」
(ガチャガチャッ!)
誠は、空き缶を片手で潰し俺を睨んだ。
「何で奪わなかった!?、…そう感じたなら、何で奪わなかった!!」
「…だから今後悔して…」
(ボコッ!!)
誠は、突然俺の、右頬を殴った。
「…いっ!!」
「今更、後悔しても遅いんだよ!!バカヤロー!!」
「…分かってるよ!!」
「分かってねぇーよ!お前は!!、もう二度と会えないかもしれねぇーんだぞ!!セラが、それを返したって事は、セラの意志が強いって事だよ!!分かるか!?」
「……」
「…次はねぇーかもしれねぇーが……、もし今度セラに会った時は……分かるよな?…」
「……」
俺は、何も反応せず黙っていた。
「…殴って悪かったな…親方には、話分かってもらえたから…んじゃー」
誠は、立ち上がり玄関に向かった。
「…誠!!」
俺は、玄関に向かった。
「何だよ?殴りにきたか?」
俺は、笑って誠の肩に手をおいた。
「殴りてぇーけど、殴らねぇー、…鍵…気をつけて帰れよな!」
俺は、誠にバイクの鍵を渡した。
「おう!んじゃーなっ!」