「えっと…、ハンバーガー二つ!…」
俺は、ハンバーガーとドリンクを抱えセラが、待つベンチに向かった。
「お待たせ!……」
ベンチには、セラの姿がなかった。
「どこ行った?…トイレか?…」
俺は、辺りを見渡しベンチに座った。
「……」
セラは、5分たっても10分たっても帰って来なかった。
「…セラ…」
俺は、立ち上がり遊園地…水族館を捜し回った。
「はぁー!はぁー!…どこだ…セラ…」
俺は、もう一度ベンチに向かって走った。
「はぁー!はぁー!…居ないか!…」
ベンチには、さっき俺が置いたハンバーガーとドリンクが有った。
俺は、ベンチに崩れるように寄り掛かった。
「セラ…どこだ……」
(チャリン!…)
「……」
何かがベンチの空き間から落ちた音が聞こえた。
俺は、ベンチの下を見た。
ライトアップされた水族館のライトが何かを照らしていた。
俺は、ベンチの下に手を伸ばした。
《!!》
「…これ…」
俺の指の先には、俺がセラに渡した【S】のネックレスが揺れていた。
「…セラ!」
立ち上がり辺りを見渡した。
「…まだこの辺に!?」
さっきまで無かったネックレスを握りしめ、俺は、走って出口に向かった。