「えっ!?」
セラは、俺に寄り掛かりながらポツリと呟いた。
「見えると思う?…」
「あぁ…」
「嬉しい…」
セラは白熊をみつめながら言った。
《心…私は、今幸せだよ…このまま、ずっとこうして居たい…》
俺達は、イルカのショーを見終えた。
空を見ると海が夕焼けに染められていた。
「はぁー!可愛かったね!白いイルカなんて始めて観たよ!」
「あぁ、俺も始めて観た」
「楽しかったなぁ!生まれてきた人生の中で一番楽しかった!」
「大袈裟だなぁ」
俺は、笑って答えた。
「……」
「ん?どうした?」
「…お腹空いた」
「んじゃー何か食いに行くか?」
俺はベンチから立ち上がった。
「心、何か買ってきて…」
「何かって、…じゃー、一緒に買いに行こうぜ」
「何でも良いから、心買ってきて…、足ちょっと痛いから…」
「大丈夫か!?どの辺だ!?」
「平気よ、休めば…、心が食べたい物で良いから…」
「…分かった、じゃーここで待ってろ!」
「うん、ごめんね…ありがとう…」
俺は、セラを残して食物を買いにセラの元から離れた。
「……心…愛してる……ごめんね……」
私は、離れていく心の背中を見て涙が溢れ流れた。