「…だから、女と二人で来たのは、セラが初めてなんだよ!、…もういい!行くぞ!」
心は、サンダルを引きずりながら、先を歩きだした。
「待ってよ!心!」
《心…嬉しいよ…心と思い出の場所が出来て…、私と心…初めての場所だね…》
セラは、俺のシャツの裾を少しだけ握った。
俺は、セラが遊園地で楽しく遊び、天使のような笑顔を見て愛しく感じた。
このまま、セラを直から奪いたいとさえ思っていた。
「次!イルカ観に行こうよ!」
「おう!」
俺達は、水族館へと向かった。
チケット売場の前にイルカが飛び跳ねている大きな看板が立っていた。
「イルカのショーだって!ねっ!イルカのショーも観ようよ!」
「ショーかぁ…」
「何!?嫌なの!?」
セラは、ちょっと不貞腐れて、俺を見た。
「分かった!ショーも観よう!」
「ヤッター!!」
私は、チケットを買い心の手を引っ張った。
水族館の中を入ると、小さな魚が出迎え、奥に進むとペンギンやアザラシが水槽の中を泳いでいた。
「おい、ちょっと暗いから、足元気を付けろよ!」
「うん、…ねっ!手を繋ごうよ!」
セラは、俺の左手を握った。
「私達…恋人同士に見えるかな…」