「ねっ!そんな事より、遊びに連れていってよ!」
突然、セラはキラキラした笑顔で、俺の腕を掴んだ。
「まだ、俺は聞きたい事が…」
「そんなのは、いつでもいいじゃない!時間が勿体ないよ!」
「時間って…」
一瞬、セラの顔が悲しそうに見えた。
「遊園地!、…遊園地に行きたい!連れていって!、…あっ!でもイルカも観たいなぁ…」
「欲張りだな…今日は遊園地で、また今度水族館に…」
「駄目!!」
セラは、立ち上がった。
「どうした?!セラ…?」
「…あっ、ごめんね…無理言っちゃったね……、遊園地に行こう」
セラは、俺の腕を掴んで引っ張った。
「セラ!」
「ん?」
「…遊園地もイルカも観れる所に連れていってやる…」
「本当に!?」
「あぁ!」
「ありがとう!!」
俺は、今まで見た事が無いセラの積極的な姿に、ちょっと驚きながらも、嬉しかった。
セラがムキになって居た事や一瞬見せる悲しそうな表情が気になったが……。

「ここならどうだ!?」
「わぁー!!凄ーい!!」
《心との思い出を私の頭の中に残しておきたい…限られた時間だけど、心との思い出を……》
私は、海に浮かぶ遊園地を見て、胸が高鳴っていた。