セラは、下を向き俺から目線をそらした。
「セラ?…」
「…外に出ようか」
「…あぁ」
俺は、セラの横を一歩下がって歩いた。
病院を出たセラは、無言のまま歩きだした。
「…セラ!」
「ん?…」
私は心の呼び掛けに振り向いた、振り返ると心は、立ち止まっていた。
「…誠の、バイクで来たんだ!乗れよ!」
「うん!」
――私は、心の背中を強く抱きしめた、背中に顔をあて耳をすまし、心の事だけを考えていた。
(ドックン、ドックン、ドックン……)
心の心臓の音が頭の中に響いて、胸が締め付けられた。
「…心…愛しています……」
目を閉じると、涙が零れ落ちた。
俺の体に、しがみ付くセラが、愛しく胸が痛んだ。
「何か言ったか!?」
車とバイクの音を体で感じていたが、それとは違った……セラの声が体で感じた気がした。
「……」
セラは、何も答えず俺の体に、しがみ付いていた。
俺は、防波堤に向かってバイクを走らせた。

「…静かになったな…」
「…うん…」
私達は、防波堤に座り砂浜を見渡し、海を眺めていた。
「…今…どこに居るんだ?…」
「…どこって?家よ」
セラは、笑顔で答え海をみつめた。
「…家って…」