「諦めてよ…彼女は結婚して人妻になるのよ?!そんな彼女の事をずっと想っているつもり!?」
「…あぁ…、俺が生きてる限りセラを愛し続けたい…」
俺は、沙羅の体を離し言った。
「…バカじゃないの!死ぬまで愛すですって!おかしいわよ!あの女が、心に何をしたのよ!何をくれたのよ!…何で…あんな女が…」
沙羅は、泣いていた。
「…帰ってくれ…」


――「…セラ」
私の体が揺れ、私を呼ぶ声に私は目を開けた。
「…直君…」
部屋の中は暗く、ロウソクの炎が揺れていた。
「…仕事に出掛けてくる…ご飯買ってきたから…」
「……」
私は頷き返事をした。
「…じゃー」
「…いってらっしゃい…」
直君は、振り返らず頷き返事をして部屋を出ていった。
耳をすますと、車のエンジンの音が聞えタイヤが動き車の音が遠くに消えていった。
「…はぁー」
私は、部屋の中を見渡した、窓の透き間から外の明かりが漏れていた。
私は、左足と両手を使い窓まで行った。
窓に手を掛け、窓を開けた。
「眩しい!!」
私は、手で目を隠した。
外からは、明るい太陽が私を射していた。
手を離し目を閉じ太陽に向かって大きく息を吸った。
「……」