――「……直君……これからは、あなただけを見るわ……だから帰りましょう…」
私に、背を向ける直君に向かって言った。
「…帰らない……セラは、帰りたいのか?…」
「直君……」
「あいつの居る場所に帰りたいのか!!」
直君は立ち上がり、私に向かって怒鳴った。
「そんな事…」
「帰らせない!!お前をあいつの元には帰らせない!!ここに居るんだ!!ずっとここに俺と居ろ!!、…分かったな…言う事を聞け…」
「……」
私の目からは涙が零れ落ち小さく頷いた。


――「…ところで、あの子とはどぉーなったの?」
沙羅は煙草の煙を吐きながら、俺の顔色を見ていた。
「お前には関係ない事だ…」
「関係あるわよ!!…いつになったら心は、私を見てくれるの!?どうしたら私を愛してくれるの!?ねぇ!」
沙羅は、涙を流しながら俺に縋った。
「離してくれ…俺にはセラだけなんだ……他の女は愛せない……」
「じゃー!愛してくれなくてもいい!!ただ…ただ心の隣に居させてくれるだけで良いから!」
沙羅は、俺の首に腕を回し抱きしめた。
「…ごめん…分かってくれ…」
俺は沙羅の腕を掴んだ。
「嫌ー!嫌よ!離れたくない!」
「沙羅」