――「セラ…」
俺は、部屋の窓を開け夜の海を眺めていた。
「逢いたい…セラ…」
(ピンポーン!)
玄関のチャイムが鳴った。「……、はい?」
「……」
「誰?!」
扉の向こうからは返事が無い。
《誠か?…》
俺は玄関の鍵を開け扉を開けた。
(ガチャッ!)
「心ー!!」
扉を開けると突然沙羅が抱きしめてきた。
「沙羅!!」
俺は沙羅の体を離した。
「もぉー!ひどいじゃない!突然黙って引っ越しなんかして!!」
「何でお前ここが…」
「心の部屋の玄関をノックしてたら、前の大家が来て引っ越ししたわよ!って聞いて引っ越し先を教えてもらったのよ!」
「お前そこまで…」
「ねっ!ちょっと上がらせて!」
そう言って、沙羅は俺の話を聞かずに部屋に上がった。
「お前勝手に上がるな!」
「へぇー!良い部屋じゃなーい!海が眺めれるなんて!」
沙羅は、窓際に立って外を見た。
「おい、帰れ!お前に来られると迷惑だ」
俺は、煙草に火を点け言った。
「何で迷惑なのよ?引っ越ししたって聞いたから、来ただけじゃない?そんな意地悪言わないでよ」
沙羅は、ベッドの上に座り頬っぺたを膨らました。
「それが迷惑なんだよ!」