「今、お風呂から上がってきたばかりだから…セラ?どうするの?」
おばちゃんは、直君に言った後に私を見た、私は直君に目を向けた。
直君は、おばちゃんに見せていた笑顔は消えて私を冷たい目で見ていた。
「…じゃー、今義足を付けてくるから…待ってて…」
私は、直君の目が恐かった。
「セラ!」
私は、2段目の階段から直君を見た。
「…いい、そのままで…車あるから」
「…でも」
「失礼します」
直君は、玄関を上がり私の元へ来て私を抱き抱えた。
「あっ!」
「直!?」
おばちゃんは、突然様子が変わった直君の姿に驚いていた。
「おばちゃん!」
「直!!ちょっと待ちなさい!」
おばちゃんは、直君の腕を掴み、止めた。
「何ですか…」
「何ですかって?!おかしいわよ!?義足を付けてからでも…」
「……」
直君は、冷たい目でおばちゃんを見た。
「…直…」
「義足なんかいりません…、じゃー」
(バタンッ!)
直君は、玄関を足で閉め車の助手席に私を乗せた。
直君は車に乗ると直ぐにエンジンを掛け車を走らせた。
「…直君…」
真直ぐ向いてハンドルをきつく握り絞めている直君の顔が恐かった。
「黙ってろ!!」
《!!》