玄関のチャイムが鳴った。
「…はい?」
「セラ?!…」
「直君?!」
(ガチャッ!)
私は、玄関の扉を開けた。
「セラ!!」
《!!》
玄関を開けたとたんに、直君は私を抱きしめた。
「…直…君…」
「あっ!ごめん!良かった帰ってきてて!心配してたんだ!」
「あっ…ごめんなさい…」
「いや…いいんだ」
奥から、おじちゃん達が出て来た。
「直…悪かったな心配かけて…」
「いいえ!良かったです!、…あの、ちょっとセラを借りてもいいですか?」
「えっ?」
私は、直君の顔を見た。
「あぁ…構わないが」

「……」
直君と私は、歩いて海に向かった。
海は、真っ暗で先が見えず、波の音が大きく聞えた……。
直君は黙ったまま砂浜に座った、私も直君の隣に座った。
「…本当は…本当は昨日誰と、どこに居たんだ…」
「えっ!?」
私は、直君の横顔を見た。
「……嘘をつかず…正直に言ってくれ……」
「……中学の…」
「嘘をつくな!!」
《!!》
直君の声は涙の音よりも大きな声を出した。
「…もう…嘘はやめてくれ……」
直君は、私の両腕を掴み言った。
「…嘘じゃ…ないわ…」
「……じゃー会わせてくれ…その友達に…」