「セラ…」
おばちゃんは私を見ていた。
《……》
「…ご飯は出来た?…」
「セラ、心君と会っていたのね?…」
「…違うわよ…本当に友達と…」
おばちゃんは、私の左腕を掴んだ。
「嘘つかないで、私には分かるわ……」
「…逢ってたわ…」
「セラ…!」
おばちゃんは、心配そうに私を見た。
「…逢ってただけよ……友達として」
「セラ!直に嘘をついて迄、心君と会うなんて…」
「逢いたいの!!…心に逢いたいのよ……」
私は、涙を流しながら心がくれたネックレスを握りしめた。
「……セラ……、涙を拭きなさい…直戻ってくるわ……」
おばちゃんは、私の涙を拭いてくれた。
(ガチャッ)
「…おじさん、寝かせてきました」
「あっ!ありがとね!直も一緒にご飯食べる!?」
私は、直君に背を見せ手で涙を拭った。
「…いいえ…、今日はもう……」
「帰るの?…」
「はい…」
私は立ち上がり直君を見た。
「ご飯食べていけば良いのに?」
私は、笑顔をみせて直君に言った。
だけど、直君の顔には笑顔がなかった。
「いや…今日は帰る…」
「そう…」
「セラ外まで送ってあげなさい…」
「うん…」
私は直君と一緒に、玄関を出た。