直君は小さい、おにぎりを一口で、パクリと口に入れ釣り竿を持った。
「セラ、小さい事で気にするな!」
「でも!」
「セラが小さな事でも気にしちゃうのは、セラが優しいからかもしれないが…おじちゃん達と暮らして何年だ!もう、そろそろ小さな事には気を使うな!でなきゃ、おじちゃん達もセラに対して気を使っちゃうからな!」
直君は私の頭を撫でた。
「…うん」
「よし!んじゃー!おにぎりを食べたら店戻れよ!」
「うん!」
「元気に戻るんだぞ!じゃーなっ!」
「うん!直君!ありがとう!」
直君は、私に背を向けたまま大きく手を振って歩いて帰った。
私は、おにぎりを食べ店に向って歩きだした。
《笑顔で…いつも通りに…元気良く…笑って…笑って》
「下を向かず笑って!!…」
《あっ……!ヤバイ!!どうしよう!!》
顔を上げ、笑顔を作った私の目の前には、店に来た黒髪の男の人が私に向って歩いてくる!!。
《どうする!?》
笑顔の私の顔が徐々に引きずるのが自分でも分かった。
《シカト?…誤る?…》
私と黒髪の男の人の距離が、どんどん縮まる。
《駄目だ!もう一度、ちゃんと誤らなきゃ!…よし!》
前を向いて歩こう!。