「直君…、無理だよ…、私は直君と、結婚出来ないよ…、消えないの……、頭も心も体も……、心の事が消えないの………、こんな私と結婚しても、直君を幸せにする事も出来ないし、直君が幸せになれないよ!!」
「…幸せになれるよ!…、セラが、俺の傍に居てくれるだけでいいんだ!それだけで、俺は幸せだ」
そう言って直君は、私を抱きしめた。
「……」
「頼む……セラ……」


――俺は、公園のブランコに座った。
夜空を見上げると月が半分雲に隠れていた。
「…セラ」
(ニヤァー…)
足元を見ると真っ白な猫が、俺の裸足の傍に座っていた。
「お前も一人ぼっちか…」
猫の頭を撫でると、猫は俺の足に擦り寄ってきた。
俺は、猫を抱き上げた。
「お前、帰る家はあるのか?…」
(ニヤァー…)
猫は、俺の元から離れ公園の入り口で振り返り俺を見ていた。
「早く帰れ……」


――ドレスを選ばないまま私達は、家の前に着いた停めた車内で私達は沈黙が続いた。
「……」
「……」
あんなに感情を出した直君の姿、見たことなかった……。
直君は、いつも私の傍に居てくれた……、今度は私が……、直君の傍に居るばんなのかもしれない……。