そう言って女性は、私の腕をはらった。
私は、店に向かって歩きだした。
「…誠さん…私には…信じる事できないよ……心を……」
《心へ想い……まだ消せないけど……好きだけど……信じれないよ……心!!》
私の足元に、涙が零れ落ちた。


――「……このままじゃ駄目だな」
俺は、立ち上がり防波堤を跡にした。
パチンコ屋に顔を出し店長に頭を下げ、俺は店を辞めた。
「よしっ!次は……」

――「セラ、さっきどこに行ってたの?」
おばちゃんは、おじちゃんに聞こえないよう小声で聞いた。
「別に…、散歩してただけ」
おばちゃんと私は、外を眺めながら話をした。
「そう…、パンフレットがグシャグシャになってたから、もしかしたら心君の所に行ったのかと…」
「行かないよ…」
私は、オレンジ色の海を見つめて言った。
「そう…」
おばちゃんの横顔が、悲しそうに見えた。
「……」
「どうした!?二人して?」
おばちゃんと私の間に、おじちゃんが入ってきた。
「お父さん…」
「海を見てたの」
「そうか…、そろそろ直来るかな?」
「…うん」


――「宜しくお願いします!!」
親方に俺は、深く頭を下げ仕事を親方に頼んだ。