「誠さん!誤解って?!」
「…後は、心に聞け…、じゃーなっ!」
「誠さん!!」
《誤解って?》
「…心」


――俺は、防波堤に来ていた。
仰向けになり、空を眺めていた。
「セラ…、辛いよ」


――(コンコン!!コンコン!!)
私は、玄関を叩いた。
「心!」
(コンコン!!)
返事がない。
(ガチャガチャッ!)
心の部屋は鍵がかかっていた。
「心…居ないの…」
私は、玄関の前に座り込んだ。
「心話がしたいよ…、私には、時間が…」
「ちょっと!」
階段の方を向くと、この前、心の部屋に居た女性が立っていた。
「あっ!すみません!」
私は立ち上がり、帰ろうとした。
「待ちなさいよ!」
女性は私と擦れ違う時、私の腕を強く握った。
「何で、また来たの!?心には、私が居るって言ったわよね!?なのに何で?!」
「…すみません…ちょっと、話があったので…」
「話?、…話って?私が伝えておくわ!言って!」
「…たいした話じゃないので…、失礼します」
「たいした話じゃないなら来ないでよ!迷惑なの!それにあなた…結婚するんでしょう!」
《!!》
「…私は」
「ご結婚おめでとう!お幸せに!!」
「……」