――あれから一週間が過ぎた――。

「セラ、あれから心君とは、会ってないの?」
「…うん」
「どうして?」
「どうしてって…、私直君と結婚するのよ…、結納だって済ませたし後は、10月に結婚するだけ……今更、心に逢って話す事なんかないよ……」
私は、食器を洗いながら言った。
「でも!!」
「おばちゃん!本当に、もう………ゴホッ!ゴホッ!……ゴホッ!」
「セラ!大丈夫!?」
咳をした私に、おばちゃんは、私の背中を擦った。
「うん、平気…夏風邪でも引いたかな?」
「余り無理しないでよ!この前、倒れたばかりなんだから!」
「はい、分かってます!」
(おーい!タオル持ってきてくれ!)
お風呂場から、おじちゃんが声をだした。
「はーい!今行きます!…セラ、またちゃんと心君の事、話しましょう!」
「…うん、早く、おじちゃんの所に行ってあげて!」
おばちゃんは、私の腕を離し、お風呂場へ行った。
《もう遅いよ……おばちゃん……》
「ゴホッ!!ゴホッ!ゴホッ!ゴホッ!、はぁ…、風邪引いちゃったなぁ」


――「ふぅー……」
薄暗い部屋の中で、煙草の灯りが、蛍の様に点いていた。
俺は一週間、外に出ていない。