「それっぽちだったのかよ、セラに対する愛情は?…」
「……」
「おい!何とか言えよ!?心とセラの間に、二人の人間が入って割ってきて、それで壊れて、おまえら終わりか?セラは自分自身、心の事を誤解しているって知らないで、他の男と結婚して、あいつが、それで幸せになると思うか?!結婚する女が、抱いてくれって来るか!?セラは、心を愛してるんだよ!あいつを!セラを幸せに出来るのは心しか居ないって!俺は、そう思っているんだぞ!」
「……俺には、セラを幸せに出来ない……」
「お前!!」
(ボコッ!!ボコッ!!バシッ!!)
俺は、誠に殴られた……、誠が、こんなに怒った顔を見るのは何年ぶりだろう……。
他人事の様に、俺は冷静に誠の顔を見ていた。
「おい!何だよ!?その面!!」
誠は、俺の胸元を引っ張った。
「……酔えないんだ……」
「はぁ?!おい?…」
「……セラに、憎まれても恨まれても、セラが幸せになれるなら俺の事を誤解したまま直って奴と結婚した方がセラの為だって……そう思っ…」
(バシッ!!)
「バカヤローッ!!お前、本当に本心で、そんな事を考えてんのか!?頭冷やせ!!」
(バタンッ!)
誠は出ていった。