指輪は、直君の指の先で七色の光とともに輝いていた。
「そんなに大した物でも無いですが、…でも!この指輪には、セラに対する愛情が、いっぱい入ってます!!」
直君は、おじちゃんに向かって言った。
――俺は、セラの店の入り口に立っていた。
店の中の、話し声が俺の耳に聞こえていた。
《セラ…本当に、結婚…決めたんだな……》
――「そうだ!安かろうが、高かろうが、指輪を贈る相手に対して愛情がこもっていれば、いいんだよ!」
「はい!」
直君は、私の方を向き左手を出した。
「セラ、俺の手の上に左手を出してくれ」
おじちゃん、直君、おばちゃん三人は、私を見ていた。
――《セラ…幸せになれるか?……》
俺は、壁に保たれながら心で呟いた。
――(…ドックン、ドックン!ドックン!!)
私の心臓が、早く動きだした。
《心!…助けて》
――俺は、砂浜を歩きだした。
――「セラ?」
直君は、俯く私の顔を覗いた。
(ドックン!!ドックン!!)
《…気持ち悪い…》
「セラ?!」
直君は、私の肩に手を置いた。
「きも…ちが…わる……い」
(バタッンッ!!)
「セラ!?セラ!!しっかりしろ!おい!セラ!」
私は倒れた……。