「……」
《!!》
「あっ!ごめんなさい!平気だから、心配してくれてありがとう…」
「あぁ…ならいいんだ」
「で!直、何か用事で来たんじゃ?」
「あぁ!そうだった!これを…」
直君は、鞄を開けて私達に背中を向け、鞄から何か手の中にしまい私の前に立った。
「セラに早く渡したくって…」
直君は、にっこり微笑んだ。
「…何?」
「手を出して…あっ!左手ね」
《あっ!!指輪だ…》
「直君、私ね…」
「おぉー!直!今来たのか?!」
タイミング悪く、おじちゃんが来た。
「こんばんは!今さっき来ました!」
おじちゃんは、直君の手を見て指を指した。
「何だ?その手は?」
「あっ!これですか…」
直君は、少し恥ずかしそうに答えた。
「これは…指輪です、早くセラに渡したくって!」
「……」
直君の手の中には、小さな箱が隠れていた。
「あぁ!そうか!指輪かぁ!どれ?見せてくれ!」
「はい!セラが気にいってくれるといいんですが」
直君は、包装紙を開けた。
おばちゃんと私は、目があった。
「……」
《この指輪を受け取れば……》
「これです」
「凄いじゃないか!」
直君は、人差し指と親指で指輪を持って見せた。