店の中が一瞬静かになった…。
「おい、心!」
私は椅子に座ったまま横に立っている黒髪の男の人を見た。
「…水」
「…はい、今」
黒髪の男の人は、一言、言ってテーブルに座った。
私はコップに水を入れてテーブルに持っていった。
「すみませんでした」
黒髪の男の人の前に水を入れたコップを置いた。
「あっ!ごめんね!有難う」
茶髪の男の人が、私に笑顔で言った。
「いいえ!私が悪いので!すみませんでした」
私は頭を下げた。
「飯…まだ?」
黒髪の男の人が言った。
「もう少しお待ち下さい」
私は、また頭を下げた。
「心!何イラついてんだよ!」
「別に…」
「ごめんね!もう、いいから気にしないで」
「はい…すみませんでした」
私は、もう一度頭を下げテーブルから離れた。
「はぁー」
私は、ため息が出た。
「セラ…ちょっと」
キッチンから、おじちゃんが顔を出し呼ばれ私はキッチンの中に入った。
「あの客のご飯、母さんに持って行かせるからセラは、食事に行きなさい」
「平気よ!私が出すから」
「いいから、食事に行きなさい」
「でも…」
「母さん呼んできてくれ」
「…はい、ごめんなさい」
「いいんだよ」