「どうして来たの!?」
「セラに逢いたい…セラに!話を聞いてもらいたいんです!花火の夜、何で来れなかったのか…セラは誤解してて!俺と別れる気なんです!俺はセラと別れるつもりはない!それを!…」
《!!》
俺は、頭を深く下げた。
「心君?…」
おばさんの後ろの方で、おじさんが立って、俺を見ていた。
「お父さん!」


――「よしっ!これで終了!…おじちゃん?…おばちゃん?」
気付くと、店の中におじちゃん達の姿が消えていた。
私はキッチンから出て、タオルで手を拭きながら外に出た。
「なーんだ!ここに居たの?二人とも急に消えるから、心配…!」
おじちゃん達は、私の方に振り向いた。
「セラ…」
おじちゃんの後ろに目を向けると、両膝を砂浜に付けたままの心の姿があった。
「…心」
「セラ、店の中に入ってなさい!」
「でも!…」
おじちゃんは、私の両肩を押した。
「お母さん、セラを連れていきなさい!」
「お父さん!心君の話を聞いてあげても…」
「うるさい!黙ってなさい!…さっき言った様に、セラと直は結婚が決まったんだ!もう来ないでくれ!」
「……」
「お父さん!」
「心…私…」
心は立ち上がった。