「セラ?」
(カッチャンッ…)
突然部屋の電気が、消えた。
「心、こっち向いて…」
俺は、ゆっくりと後ろを振り向いた。
窓の外の光が微かに、部屋を明るくしていた、薄暗い中にセラが、ベッドに座って居るのが分かった。
「セラ…」
セラは、俺が渡した洋服を着ていなかった。
「心、抱いて…」
「セラ……」
セラは、ベッドの上で俺に右手を伸ばした。
俺は、セラの手を右手で握った。
「心…愛してる」
「俺もだ、セラ」
俺とセラの唇が重なった。《心…愛してると言葉にして言ってくれないのね》
心は、私を優しくベッドに寝かせ、強く抱きしめてくれた。
俺は、セラの額、鼻、唇、胸、お腹…そして、切断した右足に口付けた。
「いいのか?セラ」
「うん最後に…、一つになれる…」
「セラ…」
心と私は、お互い強く抱き合った。
心の体の温かさ…ぬくもり…忘れない。
《今日が、心と最後の日…最後に一度だけ、心に私を抱いてほしい…》
「セラ…」
お互い強く両手を握りあった。
「心…」


心は私に、腕枕をして優しく私の髪の毛を触っていた。
「セラ?平気か?」
「平気、私、今凄く幸せ…」
「俺もだ…」
「ありがとう、心…」