(ツーーー…)
私は、受話器を握りボタンを押した。
(プルッ!プルルルルルル!)
(ガチャッ!)
私は、受話器を置いた。
「恐い…」
電話して、心になんて言えばいいの?!恐い…私の声を聞いて電話を切られてしまうかもしれない…。
「でも…心の声が聞きたい、逢いたいよ…」

――(プルルルル…プルッ)
俺は、夢の中で何かが鳴っている音で目を覚ました。
「はっ!?」
ベッドの上にある携帯が鳴っていた。
手を伸ばし取ろうとしたが、直ぐに切れた。
「何だよ…」
俺は、またベッドに横になった。
(ザァーッ……)
俺の耳に、雨の音が聞こえてきた。
「…雨」
俺は、起き上がり窓を少し開け、煙草をくわえた。
「……」
(プルッ!プルルルル!)
また携帯電話が鳴った。
(ピッ!)
「はい、…あぁ、誠か…うん、うん、ありがとな!…えっ?……あぁ……あぁ…分かった、じゃー」
電話で誠は、沙羅を寮にちゃんと送ったと言っていた、それとセラに携帯番号と家を教えたと言っていた。
俺は、携帯を見ていた。
「……さっきの電話セラ…」
俺は、携帯をベッドに置き冷蔵庫を開け水を飲んだ。「はぁー」
《セラ…逢いたい!》
(コン、コンッ…)