俺は、部屋のゴミを袋に入れ片付け、下駄箱の前に袋を投げた。
「ふぅー…」
テーブルに目をやると、テーブルの上に俺の、飲みかけのビールが汗をかいていた。
(ゴクッゴクッ…)
「っはぁー!ぬりぃー!!」
少し残したビールを台所へ流した。
《セラ…明日は俺と逢ってくれるか?》
俺は少し微酔いになり、電気の明かりを見つめたまま、瞼をゆっくりと閉じた。

――「じゃー、おやすみ」
私は、門を出る直君に手を振った。
「あぁ、おやすみ」
直君は歩きだし、私は玄関のノブを回し扉を開こうとした。
「セラ!」
振り返った。
「直君…、どうしたの?」
「セラを幸せにするから、…幸せになろうな!」
「うん…幸せになろう…」
部屋に戻り、私はベッドの上で、両膝を抱え座った。
(二日後!大安だ!めでたい事は大安の日って決まってるからな!!結納は二日後だ!)
(はい!)
おじちゃんは、話をどんどん進めて行った、結納は形だけでも簡単にやろうって事になり、その時に直君は、婚約指輪を持ってくると言っていた。
(結婚指輪は一緒に選ぼうな!!)
って、直君は嬉しそうに話していた。
「…二日後か」
《……》
私は電話の前に座った。