俺と誠は、目を合わせ玄関を見た。
「誰だ?」
「沙羅じゃねぇーの?」
「シカトしろ!」
誠は、そう言って4本目の巻ビールを開けた。
(ドンドンッ!)
「心ー!居るんでしょう!あ〜け〜て!」
玄関の扉の向こうで、沙羅は言っていた。
「あいつ!酔ってんな!」
「あぁ」
(ドンッ!…ドンドンッ!…ドンドンドンッ!)
玄関の扉はギシギシと音をたてていた。
「ったくー!しょうがねぇーな!」
誠は立ち上がり、玄関の扉を開けた。
「あぁ〜!やっぱり居た〜!心、み〜つ〜け〜たぁ〜!」
(ドサッ!)
沙羅は、俺に手を伸ばし抱きつこうとした時倒れた。
「おい!?沙羅…誠手伝ってくれ」
「しっかりしろよ!沙羅?!おい!」
誠は一人で、沙羅を抱き上げ俺のベッドに寝かせた。
「ったく!手のかかる女だ!」
「あぁ、…誠泊まって行くか?」
「俺明日、早いから店の鍵渡されているんだ!」
「そっか、参ったなぁ…」
「俺が、沙羅送っていくよ、どうせ帰り道だしよ!」
「そうか?悪いな!」
「悪いと思うなら、明日ビールを買っておけよ!」
「あぁ!もちろん!」
誠は、残っていたビールを飲んで、酔った沙羅を負んぶして帰っていった。