誠は、部屋の電気を点けた。
「疲れて忘れてた…」
「はぁー!」
誠は、ビールをテーブルに置き、俺を見て大きなため息をついた。
「何だよ?」
誠は、黙ったままビールを一気に飲んだ。
(ドンッ!)
「何だよじゃねぇーよ!疲れた?疲れたんじゃないだろ!?お前、セラと会いたいんだろ!なのに何をやってんだよ、こんな時に!しっかりしろよ!何の行動もしねぇーで!グズグズしてんじゃねぇーよ!セラと、このまま終わっていいのかよ!?心が、初めて惚れた女だろ!簡単にセラを離すんじゃねぇーよ!!」
誠の言うとおりだった…、俺の隣にはセラに居て欲しい、セラの隣には俺が居たい…他の誰かじゃなく、セラに居てほしい…。
「誠、サンキューな…明日、セラの所へ行ってくる、逢わせてくれる迄、俺待ち続けるよ」
「そう!それでいいんだ!会ってこい!会って話してこい!」
「おう!」
俺と誠は、久しぶりに笑顔で酒を飲んだ。
「…で、沙羅はどうした?」
「あぁ、何とか働いてる」
「そっかぁ…」
沙羅は、俺に内緒で店に勝手に面接に来て、今は住み込みで一緒に働いている。
「沙羅の奴!しつけぇーなぁ!」
「あぁ最悪だ…」
(コンコンッ!)