(ドッーン!)
部屋の中には、花火の音が響いていた。
「花火だ…」
沙羅は、窓の外を見て言った。
《セラ…》
「ごめん!俺、ちょっと出掛けてくる…」
俺は立ち上がり、玄関に向かった。
「嫌!行かないで!!」
「沙羅!大事な用なんだ!ごめん…」
「行ったら私!、…今度は本気で死ぬわ!」
「沙羅!!頼む!困らせないでくれ!」
「行かないで!!お願い!」


俺は、家を…セラの元に行けなかった…。


――《心…逢いたい、逢いたいよ…どうしたのよ?!どこに居るの!?…誰と居るの…》
私は、店を飛び出した後、心が働く店に行ったが、心は夕方に店を出たといわれた。
心の家も連絡先も知らず私は、心を探す事が出来ずに公園に来ていた。
「心…」
(ドッーン!ドッドーン!)
夜空を見上げると、花火が激しい音と一緒に最後の輝きを夜空に高く上がっていた。
「花火…心と観たかったよ」
《私の恋は、夢で幻だったのかな?…そうなのかな、心…》
「ゴホッ…心、逢いたいよ」
「セラ?」
「誠さん!」
誠さんは、小さな紙袋を持って立っていた。
「どうした?心と一緒じゃないのか?」
「誠さん…心の…心の家を教えて下さい!」