窓は暗く、明かりが点いていなかった。
俺は階段を上り玄関の前まで来た。
ドアノブを触ると、鍵が開いていた。
(ガチャッ)
「沙羅?!」
俺は部屋に入り、電気を点けた。
「沙羅!!おい!沙羅!!」
沙羅は、ベッドの上に横になっていた。
俺は、沙羅を抱えて頬を叩いた。
「お前!!」
沙羅の左手首には血が出ていた。
「沙羅!起きろ!沙羅!」
返事が無い沙羅を見て、俺は携帯電話を取り、ボタンを押した。
「し…ん…」
俺の腕の中で、微かに沙羅が口を開いた。
「沙羅!?おい?!分かるか?!目を開けろ!!」
沙羅は、ゆっくりと目を開け、俺を見た。
「…心、やっぱり来てくれたのね…うれしい…よ」
「馬鹿な事するな!!今救急車呼んでやるから!…」
「やめて、平気だから…」
沙羅は、俺から携帯電話を取り、俺にしがみついた。
「傍に居て…私の傍に…でなきゃ、私今度は…」
「…分かった」
俺は、沙羅を落ち着かせた、左手首は、掠り傷程度だった。
「よし…、よかったよ、傷深くなくて…」
沙羅の手首に包帯を巻いた。
「心配してくれたの…」
「当たり前だ!死ぬって聞けば、誰だって心配するだろ!!」
「ごめん…心」