「じゃあ、私にだけ教えてくれてもいいんじゃないですか?」

私は言った。

「えっ?」

そう聞き返してきた部長に、
「私が無口で無愛想なのは、部長がよく知っていることでしょう?」

私は言い返した。

「自分で言っちゃうんだ」

「知っているから言うんです…って、ごまかさないでください!」

この期に及んでまだごまかし続けるのかと思いながら、私は言った。

「まあ、いいか。

どうせ年が明けたら、彼らの耳にも入ることなんだし」

部長はやれやれと言うように息を吐いたかと思ったら、そんなことを言った。

年が明けたらって…やっぱり、何かあったの?

それがいい話なのかは悪い話なのかはよくわからないけれど、部長の身に何かあったことは事実のようだ。