教室の隅にいる女の子が目に入った。

なぜかどうしても気になる…。

その女の子はずっと頬杖をついて、退屈そうに窓の外を見ていた。

私がその女の子を見ていると_

「梓、どこ見てんの?」

「だいじょーぶ?」

と声を掛けられて我に戻る。

「ねぇ、瑞穂。あの子ってどんな子?」

一応、その女の子に聞こえないように小さめの声で瑞穂に聞いてみた。

「あぁ、燐 ( りん ) のこと?燐はね、私たちと同じ中学でね、あれだけ可愛いから男子からちやほやされてたの。ただそれだけなのに周りの女子から気にくわないって苛められたんだ。私たちもそれを知ってたけど燐のこと、守ってあげられなかった。燐はね、元々私たちのグループだったんだ。でも、苛められてからは…孤立するようになっちゃったんだ。」

と、私の知らない過去を話してくれた瑞穂はとても哀しくて苦しくて辛そうな表情をしていた。

「そう、なんだ……。」