ガラスの心に気づいたなら 〜 1


青い空は澄んでいても、

わたしの心は濁っている。


雨の夜が嫌いで、


笑顔が嫌いで、


自分が嫌いだ。




青春っていう言葉が嫌いで、普通っていう言葉が嫌いだ。



そんなわたしが生きている意味が、わからない。

本当は青春だってしたかった。
幸せな人生を歩みたかった。
神様は…残酷だ。
選択肢も与えずに、地獄に落としてわたしを悪魔にした。

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ゆりかごに揺れながら、
じっと私を見上げるつぶらな瞳。


それが君との出会いだった。


君を見て、初めて感じた気持ちは焦りと不安だった。


こんなわたしが本当に母親として務まるのだろうか。


子供と子供を二人並べて『はい、親子です』だなんて、非常識なはなしだ。
「ママ、見て!」

甲高い声が聞こえてわたしは我に帰った。

大きなぬいぐるみを抱えてよたよたとベッドの上を笑いながら歩いてくる

「しー。静かにね。」わたしはそう言って子供を抱き寄せた。

「あーたんすごいよ。」

彼女は自分のことをあーたんと呼ぶ。

まだ舌が回らず愛菜と言えない。

だからわたしもあーたんと呼んでいる。

彼女はわたしのことをまっすぐ見つめている。

その無防備な、純粋な表情を見て泣きたくなる。絶対に彼女をほかの人と関わらせたくない。





わたしだけ信じていればいい。







「あーたん、保育園に行くよ。」


だけど人生そううまくいかない。


これからあーたんを保育園に連れて行かないといけない。



本当は行かせたくなかった。


誰かを好きになってほしくなかった。

誰かを信じることで傷ついてほしくなかった。



だけど仮に夜の仕事にしたとして、夜中一人ぼっちにはできない。











高三で4歳の娘。

周りからの視線は痛い。












「あーたん、行くよ。」


小さな小さな手を握って、カプセルホテルを出る。


早く貯金を貯めて家を借りたい。


だけど中々借りれるアパートはなく、ホテルを転々と回る不安定な生活が続いている。

これでもわたしは一応…華の高校生だ。
















とても高校になど行けず、中卒。それも不登校。