リビングに向かうと

浴衣に着替えた凛ちゃんと梨華ちゃん

さらには蓮くんに優斗くんがいて

翔くんは私服のまま優斗くん達と話してるというか揉めてる?みたいだった

「あ、雪菜着替えたんだ」

凛ちゃんが笑顔で声かけてくれた

「うん」

「雪菜ちゃん、体調平気?」

梨華ちゃんが心配そうに聞いてきた

「うん。大丈夫だよ。それより、翔くん達はなにを揉めてるの?」

翔くん達はなにかについて揉めてるみたい

「あー、あれね。花火の時は浴衣で見るって前から決めてたのに、翔くんが着たくないって言い張るから優斗くんが説得してるんだけど…なかなか着てくれなくてあんな状況になってるの」

確かに、翔くんなら着なさそうだもんね

納得していると

「ねぇ、雪菜。雪菜からお願いしてくれない?」

「え?なんで?」

私が言っても聞かないと思うけど

「雪菜からのお願いなら聞くと思うんだ。だって翔くんは…」

「凛ちゃん、それ以上はダメ!」

凛ちゃんの言葉を梨華ちゃんが遮った

「とりあえず、お願いしてみて?」

梨華ちゃんがそう付け足した

うーん。聞かないと思うけど、ダメ元でやるか

私は翔くんに近づいた

「ねぇ、翔くん」

私の呼び掛けに翔くんは振り返ると私を見て固まった

あれ?どうしたんだろう?

優斗くん達を見ると同じように固まっていた

え?なに?どうしちゃったの?

「お前…その浴衣……」

あ、浴衣の事か。もしかして似合ってないのかな?

「浴衣…似合ってない?」

そう聞くと

「あ、いや、そうじゃなくて、ただビックリしただけ」

なんだそういうことか。よかった

「で、なにか言わなかったか?」

あ、そうだった

「あのね、私翔くんに浴衣着てほしくて…」

そう言うと顔が歪んだ

「いや…それは…」

だよね。でも、このままだと花火始まっちゃうし…

仕方ない。この前凛ちゃんから教えてもらった方法でやってみるか

「私、翔くんの浴衣姿みたいな~。きっとすごくかっこいいと思うんだけど…ダメ?」

最後に上目遣いで首を傾げてみた

すると

「……分かったよ。ったくしょうがねぇーな。着替えてくる」

そう言って翔くんは着替えに行った

すごい‼ほんとに効果あった‼

凛ちゃんがさっきの方法なら『絶対、男は言うこと聞くよ‼やってみて?』ってこの前いってた。

使うときは来ないと思ったけど、まさかこんな所でに使うとは思わなかった

それから翔くんが来るのを待っていたんだけど

「おせーな、翔」

翔くんはなかなか出てこない

大丈夫かな?

「雪菜ちゃん、見に行ってくれる?」

梨華ちゃんが私に見てくるように行った

「うん。分かった。見てくる」

私は二階へ行った

梨華ちゃんが笑顔で見ていることを知らないまま