「蒼井さん、よろしくね~」
「あっ、うん…よろしく」
私の隣に彼が座る。
脈拍が急上昇し、私の心臓のポンプは忙しく稼働している。
いつからだろう、この気持ち…
何ヶ月か前はこんなんじゃなかったのに…
「アオハルさぁ、なんか顔真っ赤だよ~」
「蒼井さん、熱あるの?」
彼の右手が私のおでこに触れる。
なんでキミは、
なんでキミはそんなに、
私の心をくすぐるの?
カシャカシャカシャ…
「隙アリっ」
「ちょっと、止めてよ!」
「お前たち、静かにしろ!出発するぞ!!」
先生にたしなめられ、私達はしぶしぶと席に座る。
「宙太くん、いい加減にしてよね。私に迷惑かけないで」
「イチャイチャしてんのが悪いんだろ?
な、遥奏(はるか)」
左を見ると遥奏くんは目をつぶって頭をこっくりこっくり上下させていた。
遥奏くんはすっかり夢の中。
どんな夢を見てるのかな…
悪い夢じゃないと良いけど…
「おいおい、また居眠りかよ。
アオハルを退屈させやがって…」
「しょうがないよ。遥奏くんは…」
「まあ、いっか。俺が代わりにアオハルとお話ししてやるよ。何が良いかなぁ…」
宙太くんが一生懸命後ろから話し掛けてくるけど、私はそれに応えるだけの心の余裕がない。
左が気になって仕方ないんだ。
―――放っておけない。
だって彼は…
運命の人だから。
私と同じ「ハルカ」だから。
「蒼井さん、クラス全員の健康チェックは?」
担当の岡安先生が私のところにやってきて、健康管理簿を要求する。
「あの…遥奏くんが男子の分やってなくてまだ提出できません」
「そっか…、んじゃあ…」
先生の視線が私の真後ろに注がれる。
ポリポリとじゃがりこをかじる音が聞こえてくる。
あっ…
止まった…。
気付いたんだ。
「長内、男子の健康チェックよろしくな」
「なんで俺?!」
まあまあと先生に宥め賺され、宙太くんは私が持っていた健康管理簿を受け取った。
「アオハルの字、チョーきれい。俺、マジで汚いよ」
「宙太くん真面目にやってね」
そう釘を差したにもかかわらず、彼は私の言葉を完全無視した。
「男子で調子わりいヤツいる~?」
「長内!!」
先生は落ち着かない。
再び私達の席の真横に歩いてやってきて、宙太くんの健康管理簿を奪い取る。
「しっかりやれ!!これから林間学校なんだぞ」
「すいませーん」
彼の平謝りにクラス中が笑う。
バスの中は非常に騒がしい。
終いには、先生が自分の席に戻る時にバスが大きく揺れて派手に転んだ。
そしたらもうみんなが大爆笑。
ボルテージは上がりまくる。
ただし、私の左でスヤスヤ眠る彼を除いて。
静か過ぎて私と彼だけ違う世界にいるみたいに感じる。
2人だけ小さな世界に閉じこめられたような感覚に陥った。
決してそんなことないのに…
彼と私の間に特別なものを造り上げたいのは、私が一方的に運命を感じちゃっているから。
どうか許してね。
キミが眠っている間だけで良いから。
「あっ、うん…よろしく」
私の隣に彼が座る。
脈拍が急上昇し、私の心臓のポンプは忙しく稼働している。
いつからだろう、この気持ち…
何ヶ月か前はこんなんじゃなかったのに…
「アオハルさぁ、なんか顔真っ赤だよ~」
「蒼井さん、熱あるの?」
彼の右手が私のおでこに触れる。
なんでキミは、
なんでキミはそんなに、
私の心をくすぐるの?
カシャカシャカシャ…
「隙アリっ」
「ちょっと、止めてよ!」
「お前たち、静かにしろ!出発するぞ!!」
先生にたしなめられ、私達はしぶしぶと席に座る。
「宙太くん、いい加減にしてよね。私に迷惑かけないで」
「イチャイチャしてんのが悪いんだろ?
な、遥奏(はるか)」
左を見ると遥奏くんは目をつぶって頭をこっくりこっくり上下させていた。
遥奏くんはすっかり夢の中。
どんな夢を見てるのかな…
悪い夢じゃないと良いけど…
「おいおい、また居眠りかよ。
アオハルを退屈させやがって…」
「しょうがないよ。遥奏くんは…」
「まあ、いっか。俺が代わりにアオハルとお話ししてやるよ。何が良いかなぁ…」
宙太くんが一生懸命後ろから話し掛けてくるけど、私はそれに応えるだけの心の余裕がない。
左が気になって仕方ないんだ。
―――放っておけない。
だって彼は…
運命の人だから。
私と同じ「ハルカ」だから。
「蒼井さん、クラス全員の健康チェックは?」
担当の岡安先生が私のところにやってきて、健康管理簿を要求する。
「あの…遥奏くんが男子の分やってなくてまだ提出できません」
「そっか…、んじゃあ…」
先生の視線が私の真後ろに注がれる。
ポリポリとじゃがりこをかじる音が聞こえてくる。
あっ…
止まった…。
気付いたんだ。
「長内、男子の健康チェックよろしくな」
「なんで俺?!」
まあまあと先生に宥め賺され、宙太くんは私が持っていた健康管理簿を受け取った。
「アオハルの字、チョーきれい。俺、マジで汚いよ」
「宙太くん真面目にやってね」
そう釘を差したにもかかわらず、彼は私の言葉を完全無視した。
「男子で調子わりいヤツいる~?」
「長内!!」
先生は落ち着かない。
再び私達の席の真横に歩いてやってきて、宙太くんの健康管理簿を奪い取る。
「しっかりやれ!!これから林間学校なんだぞ」
「すいませーん」
彼の平謝りにクラス中が笑う。
バスの中は非常に騒がしい。
終いには、先生が自分の席に戻る時にバスが大きく揺れて派手に転んだ。
そしたらもうみんなが大爆笑。
ボルテージは上がりまくる。
ただし、私の左でスヤスヤ眠る彼を除いて。
静か過ぎて私と彼だけ違う世界にいるみたいに感じる。
2人だけ小さな世界に閉じこめられたような感覚に陥った。
決してそんなことないのに…
彼と私の間に特別なものを造り上げたいのは、私が一方的に運命を感じちゃっているから。
どうか許してね。
キミが眠っている間だけで良いから。